本のタイトルに魅かれて、ベストセラー『子どもへのまなざし』の著者、
児童精神科医の佐々木正美先生の著書(2008.7)を読みました。
別にわが子を「育てにくい子」と感じているわけではありません。
子育ての悩みもありません。
健康で明るく、賢い子に育ってくれています。
子がいてくれて毎日が楽しくて幸せ。
感謝することばかりです。
しかし、英語講師として、日々園児さんに接しています。
正直申しまして「育てにくい子」ならず、「教えにくい子」は
少なからずいるのです。
佐々木先生がたくさんの子育ての悩みに、あたたかく真摯に
答えてくださっている本ですが、世の中にはこんなに
子育ての悩みがあるのかと思うと驚いてしまいます。
今回は、読み終わるのに何日もかかりました。
先生のお言葉をじっくりそしゃくしながら読み進めていくと、
一日やそっとで軽く読める内容ではなかったのです。
印象的だったのはこの悩み。
3歳半の長男。
「ささいなことで泣きわめき続ける」という悩みです。
「アイスを食べたい」というので、「お昼ごはんを食べてからアイスね」
と諭すと、「やだー!アイス!アイス!」と泣き叫び続けるのだそうです。
夜中に冷蔵庫を開け、「牛乳がないけど飲みたい」と泣き叫ぶ。
怒りのネタもいろいろで、毎日、何回も起こるのだそうです。
「もう身が持ちません。助けてください。」という相談でした。
...ははぁ~ん、なんだ、ただの欲求不満じゃないの。
欲しいのはアイスや牛乳じゃなくて、お母さんの愛情。優しさ。
素人の私でさえ思いつきます。
佐々木先生の回答はこうです。
↓↓↓(ここから引用)
アイスを欲しがるのなら、すぐにやりなさい。
可能な限り、子どもの言うことを聞いてあげましょう。
甘やかすというわけではないから大丈夫。
泣きわめいているとき、この子自身が一番つらいのだと わかってあげること。
親のほうが激しくいら立ってしまうと、親子で泥沼にはまり込んでしまう。
この子は、「アイスが食べられない」「牛乳がない」ということで
深く傷つき、お母さんがなんとかしてくれるんじゃないかと
期待して、必死で泣いて訴えているのです。
決して怒らないこと。
「この子は私が救ってあげるのだ」という静かな誇りを持って、
可能な限りその願いをかなえてあげること。
牛乳は冷蔵庫に切らさないとか、時間があれば買いに行ってあげるとか、
無理であれば、ゆっくりと短い言葉で説明します。
めんどうくさがらず、手間をかけ、時間をかけ、待ってあげること。
おだやかに接し続けていると、おだやかないい子になります。
言うことを聞いてあげればあげるほど、子どもは親の言うことを
聞いてくれるようになります。
親が子どもに合わせていれば、必ず親の言うことを聞く子に育ちます。
↑↑↑(ここまで)
いかがですか? さすが、佐々木先生だと思いました。
ほとんどのお母さんは、これじゃあ「しつけ」にならないと
思ってしまうかもしれません。
私も激しくいら立ってしまって泥沼にはまったことは何度もあります(笑)。
親の考え方を変えないと、子は変わらないのです。
他にも
・乱暴してしまう子(友だちをたたく)
・他者が気になってしかたがない子
・消極的な子
・毎日繰り返される兄弟げんか
・幼稚園が怖くて行けなくなってしまった
・「学童クラブに行きたくない」と言うのはなぜ?
・保育園に迎えに行っても1時間以上帰ろうとしない
・おとなしく、入学して友だちができない。思ったことが言えない。
・落ち着きもなく、忘れ物も多い1年生
・上の子をかわいいと思えない
・怒り出すと歯止めがきかなくなる自分がイヤ
など。
育てにくいと感じていらっしゃらない方にもおすすめです。
大変勉強になります。
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